発明百訓

発明百訓は,パワー研創設メンバーの1人である故 高橋勲教授の残された言葉です。 中には難しいものもありますが,「なるほど」と納得させられるものも多くあります。


  •   ■苦あれば楽あり。人が休んでいる間に研究しよう。
  •   ■道楽と仕事を一致させよ。
  •   ■馬鹿(自然と同化)になると発明ができる。
  •   ■すべての情報を単純化して,マトリックス状にし記憶せよ。
  •   ■マトリックスにあてはまらないものがあれば大発明。
  •   ■失敗したら必ず原因を調べよ。そこから大発見が出ることが多い.
  •   ■基本となる原理式を単純化して考えよ。制御変数を減らすと回路を単純化できる。
  •   ■美学の観点に立ち異種のものの共通点を捜せ。それらをドッキングせよ。
  •   ■研究,探求は納得のいくところまで行なえ。
  •   ■アイデアは早く発表せよ。特許,論文は早い者がち。
  •   ■情報を単純化し理論,思想を作り,情報を忘れた後複雑化せよ。
  •   ■複雑なものの改良は単純化したモデルの改良から始めよ。
  •   ■大きな視野に立ち大きなプロジェクトにトライせよ。何かが生れる。
  •   ■最新の手段,材料は今まで不可能だった何かを生む。
  •   ■新しい技術の利用に着目せよ。
  •   ■そのものに最も適合した手段を美学の観点から見よ。
  •   ■回路,ソフトは積木細工である。それを如何に構築するかはその人の美的感覚による。
  •   ■失敗を怖れるな。しかし,失敗をなおざりにするな。原因はそれ以上のものを生む要因を含んでいる。
  •   ■長所を知り的確に取り入れ改良するため常に何が美しいか観賞しておくこと。
  •   ■従来のものの欠点をなおすには新技術が必要である。
  •   ■技術の粋を結集させたものに挑戦してみよ。新分野が生まれる。
  •   ■現在流行しているものを潰す研究に挑戦してみよ。
  •   ■何か欠点か知りそれを除去する手段を考えよ。手術して取れば良くなる。
  •   ■自分の理解できた理論を何に適用するか,更らなる一般化を考えよ。
  •   ■古人の考えに学べ,技術の進歩が昔不可能であったものを可能にする。
  •   ■現在ある理論を更に拡張せよ。
  •   ■行きづまったら技術の根本思想に立ち戻れ。他は知力,気力で解決せよ。
  •   ■研究は中断するな。実用化には数年以上かかることがある。
  •   ■一枚の実験グラフを注意深く観察せよ。
  •   ■自分自身を冷静に評価できるように努力せよ。
  •   ■研究開発は先ずしゃにむに実行することから始めよ。熱心さが幸運を呼ぶことがある。
  •   ■大発明はほとんど運である。運は総合的な力で引き寄せることができる。
  •   ■技術開発は世の中に対する挑戦である。道楽はそれを無意識のうちに実行させる。
  •   ■先ず他人の意見を聞け。それを正当に評価し取捨選択することから始めよ。
  •   ■他人を上手に使え。それには自分も上手に使われなければならない。
  •   ■一つ手段にとらわれず大きな視野に立ち考えよ。
  •   ■総合的な力は個人では難しい。他人,人脈を使え。
  •   ■人脈を作るには酒が一番。

最後の「人脈を作るには酒が一番」という訓は,同時に 「人脈を失うのも酒」という表裏一体の訓でもあるので, 羽目をはずさないよう,注意が必要とのことです。