研究内容 -マルチレベルコンバータ-

マルチレベル変換器は,PWM出力電圧パルスの変動幅が,一般的な2レベルの変換器と比較して,3レベルでは1/2,5レベルでは1/4にまで低減できます。また半導体スイッチの印可電圧も同様に低減することから,高圧インバータが実現可能となり,産業用や鉄道用の高圧モータドライブへの適用が進んでいます。

伊東研究室では,マルチレベル変換器を高効率・小型化する新回路方式の提案と,それらの定量的な設計方法の確立を目指しています。特に下記の項目について研究を行っています。

Modular Multilevel Converter (MMC)

MMCは他のマルチレベル変換器の特徴に加え,各アームが複数のスイッチング素子と直流キャパシタを組み合わせたセルをカスケード接続することによって構成されます。また,接続セル数を増やすことで容易にシステムの高耐圧化を図ることができます。

Solid-State Transformer (SST)

SSTは絶縁部に従来の商用周波数トランスの代わりに,高周波トランスを使用します。これにより,商用周波数トランス方式と比較して,トランス部の大幅な小型化が可能となります。また,セルコンバータを多段化して構成できるなどマルチレベル変換器の特徴を取り入れることが可能です。


モジュラーマルチレベルコンバータ回路(1セル)


モジュラーマルチレベルコンバータ動作波形